「固定ページ本文ブロック」でWordPressを運用しやすくしよう

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この記事は「Vektor Web Solutions Advent Calendar 2025」の12月22日の記事になります。

2025年もあとわずか。
今年もベクトルさんのテーマとプラグインには大変お世話になりました。

はじめましての方もいらっしゃると思いますので、自己紹介いたします。
東京都府中市でウェブデザイン・ディレクションなどを行ってる川井昌彦と申します。
ベクトルさんが毎月オンラインで開催されている質問相談会には、そこそこの頻度で参加しています。

今年の11月、大阪で開催されたWordPressの公式イベント「WordCamp Kansai 2025」では、セッションスピーカーとして「触れるけど壊れないWordPressの作り方」というお話をさせていただきました。

こちらのセッションにおいて取り上げた「VK Blocks」プラグインに含まれている「固定ページ本文」ブロックなんですが、個人的には神ブロックだと思っているのにネット上で触れられていることが少ないので、今年のアドベントカレンダー企画にて紹介させていただきます。

固定ページ本文ブロックとは?

固定ページ本文ブロックは、指定した固定ページの本文内容を表示することができるブロックです。

指定した固定ページの本文内容を表示するって、いったいどんな時に使えるんでしょうか?

私は「長大なページや複雑なコンテンツが同居するページを分割して編集しやすくする」ことができるブロックとして使用しています。

Point 1 – 長いコンテンツの更新がしやすい

ウェブサイトのトップページやランディングページは、多くのコンテンツで構成されています。

  • スライドショー
  • リード文
  • サービス紹介
  • キャンペーン告知
  • おすすめ商品
  • 新着情報
  • アクセス情報

ページを新規作成するときは気にならないのですが、公開した後しばらく経って更新しようとすると、ちょっとした修正のために長大なコンテンツの中から該当の場所までスクロールしていくのはかなり面倒です。
また、ふとしたミスで他のコンテンツを触ってしまったりすることもあります。

でも、ページ内の多くのコンテンツの中で更新頻度が高いコンテンツは限られています。
上記であれば「キャンペーン告知」と「おすすめ商品」くらいでしょう。

そこで、この2つのコンテンツをそれぞれ別の固定ページで作成し、固定ページ本文ブロックで元のページに配置します。

キャンペーン告知とおすすめ商品を更新するときは、元のページではなく、キャンペーン告知ページまたはおすすめ商品ページを更新します。
各ページを更新すれば元のページを編集しなくても更新が反映されます。

こうすることで、長大なページ内で該当コンテンツを探す手間も無く、ミスで他のコンテンツを壊すこともありません。

Point 2 – 複数担当者による更新がしやすい

中規模以上のウェブサイトでは、サイト更新担当者がいて、あらゆる部署からくる更新依頼を反映させるという運用を行っていると思います。

この体制では、更新担当者にはページ内のすべてのコンテンツを修正できるだけのスキルが必要になります。
特にトップページは、クエリーループブロック・スライダーブロック・カスタムHTMLブロックなどが含まれていたり特殊な作り方をしたパターンが含まれていたりするので、高度で多方面にわたるスキルが必要とされ他の人が担当するのは容易でなくなります。

ここで更新頻度が高いコンテンツを固定ページ本文ブロックを使って別の固定ページにしておけば、該当部分を修正できるスキルさえあれば更新できるようになります。

たとえばキャンペーン告知ページであれば、更新に必要なスキルは画像とテキストの差し替えくらいですので必要なスキルは限定的なもので大丈夫です。

マニュアル化もしやすくなるので、複数担当者に振り分けることも容易になります。

さらには、1つのページを担当部署ごとに分けることで並行して更新することもできます。

Point 3 – スキルが低い担当者に更新をまかせられる

コンテンツの一部を他の固定ページに分けることができれば、分けたコンテンツ以外は更新できないようにすることで新人スタッフに任せることもできます。

投稿者は所有しているページ以外は編集できない

担当させたいスタッフのユーザー権限を「投稿者」に設定し、分けたコンテンツの投稿者をそのスタッフに設定します。

すると、そのスタッフは他の投稿者のページを編集することが出来なくなります。

これによって、万が一失敗しても影響が限定的になり、事前に『あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ』などと言わなくても更新を任せられます。
こうして更新作業に慣れてスキルを上げていくことができます。

Warning

デフォルトでは「投稿者」には固定ページの編集権限がありません.

User Role Editorプラグインなどを使って下記の固定ページ編集権限を与えてください

  • edit_pages
  • edit_published_pages
  • publish_pages

※ _others_が含まれた権限を与えないようにしてください

固定ページ本文ブロック使用上の注意

固定ページ本文ブロックには、1点大きな制限があります。
それは、「参照するページは公開されている必要がある」ということです。

上記のような使い方をしたい場合、参照されている固定ページはそれだけではページとして成り立たない内容なので本来は非公開にしたいところですし以前は可能だったのですが、『非公開の固定ページの内容が表示できてしまう!脆弱性だ!』という指摘があったらしく出来なくなってしまいました。

そこで、参照元のページに直接訪問されることを防ぐために、検索エンジンにクロールされない設定を行いましょう。

具体的には下記の設定を行います。

  • 検索結果に表示されないようにnoindexタグを出力する
  • ページリスト (wp_list_pages)の表示から除外する

これらは、ベクトルさんの「VK All in One Expansion Unit」プラグインで簡単に設定できます。
プラグインを導入すると、それぞれの固定ページの下部で設定ができます。

この設定を行ってもURLが知られればアクセスされてしまいますが、検索サイトにインデックスされずページリストから除外されていれば、可能性はかなり低くなります。


WordPressが他のノーコード・ローコードツールより優れている点は、制作面だけでなく運用面においても非常に柔軟なカスタマイズができるところだと思います。

みなさんも固定ページ本文ブロックを使って、長大なランディングページ作成や複数担当者によるページの並行編集にチャレンジしてみてください!

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明日は香港を拠点にグローバルに活躍されているベクトルスタッフの KOUNO Chiaki さんです。 楽しみ!

この記事を書いた人

川井 昌彦
川井 昌彦
FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き

1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2025 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordBench京都、WordBench神戸、WordBench奈良、WordPress Meetup八王子など登壇多数

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お気軽にお問い合わせください


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