しえんのわ昼飲み会でお話をさせていただきました

2016年12月17日、京都府舞鶴市の Cafe&Bar FLAT+ で行われた「しえんのわ昼飲み会」で、支援やボランティア活動のWebサイト作成について、制作の現状や著作権やキャラクター使用などについてのお話をさせていただきました。

「しえんのわ昼飲み会」とは

「しえんのわ」は、京都府福知山市の松井ヒロマサさんの任意組織で、『ちょっとした』『今』からできる、いろんな『支援』の『わ』をひろげるために・・・というコンセプトで活動されています。
「しえんのわ昼飲み会」は、松井さんのお声がけで、主に京都府北部を対象に支援活動を行われている方や興味のある方々約30名弱が集まって、まじめな支援の話をお酒や料理を楽しみながら語ろうという会です。

京都府北部には日本の他の地方と同様に過疎化や少子高齢化による人口減少の問題があり、定住・婚活・子育て・就労などの支援活動を行われている組織も多くあります。
また、2013年、2014年の2年にわたって福知山市を中心に大規模な水害が発生したこともあり、災害支援などの実例もあります。
今日の登壇者は、舞鶴・綾部・福知山などで活動されている方だけでなく、京都府で行政の立場から関わられている方もおられました。

通常こういった会での話ということになると、『こんな制度を活用して、こんな素敵な活動ができました!』、『支援活動を通じて、素晴らしい体験をしました』、『みんな手弁当で来てくれて感動しました!』みたいな話が多くなるのですが、その中で私は『ボランティアだからと言って適当なことをやっちゃダメなんだよ!』という話をさせていただきました。

主催の松井さんは、『ボランティアもビジネス感覚をもって、きちんとした運営をしていかなければいけない』という話も入れたいが、どうしたらいいかと悩んでおられたようです。
そのときに、北近畿くまもと地震支援チームで私にWebサイト制作を依頼された森本さんから私のことを聞いて、登壇者の中に入れていただきました。

素晴らしい活動内容と、ディスカッションで明らかになる闇

会は4部構成となっていました。
私が記憶している限りですが、皆さんの話された内容を書いておきたいと思います。
(記憶で書いていますので、間違ってたり抜けていたりするかもしれません。気がついたら指摘していただければ幸いです)

行政が主導するスキルボランティア

最初は京都府が行っている「プロボノ」という制度について、実際に京都府で担当されている方からご説明いただきました。
NPOに対して、”プロボノワーカー”と呼ばれるプロのスキルを持った方を派遣する支援を行っているのだそうです。
プロボノワーカーは、現役のプロが休日に活動したり、退職された元プロが活動したりされており、交通費程度は出るそうです。
派遣に対して利用する組織の費用負担はゼロです。(派遣の回数などには制限があります)

続いて、実際にプロボノを利用された組織「トータルサポートるん」さんと「京都BBQ協会」さんから、利用した経緯や実際どうだったかを話していただきました。
私はデザイナーやマーケッターのようなスキルの利用が多いのかなと思っていたのですが、会計士や経営者といった方面のスキルを活用される例も多く、今回のお話でも、会計の支援や団体立ち上げの際の規約の作成の支援をしていただいたそうです。
NPOは趣味ではありませんので、団体としてきちんとした活動を行わなければなりません。
その際に、素人ではなくプロとしてのスキルを提供してもらえるので非常に役立ったということでした。

ただし、プロボノが十分に対応できないケースもあり、また、委託先のNPOから情報が行政に上がらないなどの問題もあるようです。

NPO同士のネットワークの重要性と協働の問題点

次に、「災害時連携NPO等ネットワーク」について、さきほどの京都府のご担当の方から再びお話がありました。
福知山の水害の際は、支援を行うはずのNPO自体が被災して機能しないという状況に陥ったわけですが、その際、被災したNPOに対して誰からも声掛けがなかったのだそうです。
その反省から、京都府が中心となり、平常時からNPO同士のつながりを作り、地域特性やそれぞれの組織の強みを把握することで、互いに協力し合えるようなネットワークづくりを行っています。
ただ、ここで問題になるのが「資金」。
京都府が関わっている事業ですが、行政からお金を出すと京都府以外の組織への支援が難しくなってしまうので、寄付などによって調達するしかないのだそうです。

続いて、「ふくちやま子育て教室わかば」さんのお話がありました。
福知山の水害の際は、3つの組織がまとまって支援活動を行うことが出来たという良いお話だったのですが、その後のディスカッションの中で、その後もずっと同じ枠組みで協働を続けていくのが難しいらしく、また、どうしても協働においてはお金の不透明さという問題が起こってしまうようです。
(やっているほうは悪気が無くても、他から見ると不公平に見えたりとか)

福知山の水害の際、地域のNPOが機能していない中で、自ら活動を行われた一般市民の方も多くおられました。
たまたま定休日だったから支援に向かったというお隣の綾部市の「竹松うどん店」さんのお話は、Facebookを通じて被災状況や支援状況を発信し、周りがそれを共有して広めていくことで輪が広がり、多くの支援者が集まってくれたというものでした。
こちらは、SNSを通じて知らない者同士が協働できた良い例です。

地域活性化の核になれるのは、お坊さん?

福知山市大江町と兵庫県丹波市で活動されているお坊さんのお話は、非常に興味深いものでした。

まずは丹波市で行われている「バースデイ」という活動。
地域の若者がやりたいことをプレゼンし、町のみんながそれを盛り上げ、協力したい人が手を挙げて本当にやり、やったらメディアで世に広めるというイベントを定期的に開催し、実際に地域の活動に結びついているのだそうです。
“やりたいこと”というのはボランティアばかりではありません。ビジネスの話もあります。
誰かがやりたいことを、みんなで応援する。そういう支援です。

そして大江町の元伊勢神社で行われた「参道マルシェ」
かつては多くの参拝客で賑わった元伊勢神社の様子を取り戻したいとやり始めたものでしたが、年々規模が大きくなり、また参加されている方々に少なからず儲けが出るようになり、どんどん活動が活発になっているのだそうです。
なんだかんだ言っても、やはり参加者にメリットがあればやる気が出ます。
支援活動とビジネスは相反するものではないんです。

お寺は地域住民の個人情報を深く把握しています。
そしてお坊さんは地域住民に慕われており、影響力があります。
「お寺」という存在は、地域活動における大きなキーになるのではないかと思いました。

支援・ボランティアだからこそ必要な、「法や権利を守る」ということ

さて、そんな中で私がお話ししたのは、「北近畿くまもと地震支援チーム」のWebサイトの紹介と、Webを取り巻く環境、そしてボランティアだからこそ尊重すべき権利やキャラクター使用についてです。

詳細は下記のスライドをご覧ください。

支援活動を行う際に、ブログやFacebookページを開設される方は非常に多いと思います。
その中で「北近畿くまもと地震支援チーム」がなぜ、WordPressで本格的なWebサイトを立ち上げたのか?
これについては、私の話の後でチームを立ち上げた森本さんから話がありました。
支援だのボランティアだのといった活動、特に”寄付を募る”という活動は、どうしても“胡散臭さ”がつきまといます。
だから、“どこから見てもちゃんとしたもの”を作るために、プロである私のスキルが必要だったということなのです。

特に著作権やキャラクター使用については、「支援活動だから、非営利活動だから」というのは一切関係ありません。
逆に、そういったことに疎い支援団体を、果たして市民は支持してくれるのか? ということをよく考えていただきたいなと思いました。

今回は時間が無かったので軽く触れるだけでしたが、プロじゃない人のインターネット上の活動の残念な点についても、もう少しお話ししたかったです。
特に無料サービスの使い方と独自ドメインの重要性。
団体のサイトはJimdoでブログはアメブロとか、せっかくの良い記事が、良い活動が、組織の評価に全然結びついていないのが非常にもったいないのです。
そして、あちこちに情報が散らばることによって、見る人の利便性も損なっていることに気付いてほしいなと思います。

まとめ

「しえんのわ昼飲み会」は、普段は知り合うことのできない方々、しかも自ら何かをやってきた、または何かをやろうとしている方々とつながることができた、とても有意義な時間でした。

私は、支援とかボランティアという人たちの中には、言い方が良くないかもしれませんが「頭の中がお花畑」みたいな方が少なからずいらっしゃるように思っていました。
その考え自体は今でもあまり変わっていないのですが、理想だけでは動かないことや、きれいごとでは済まないことを肌身で感じている方も多く、また、ちゃんと考えておられるのだと知りました。

ちょうど今週のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の中で、新垣結衣演じるみくりさんがこう言っています。

『ボランティアは、やりがいの搾取です!』

ボランティアの募集の中には、こう思われても仕方がないと思えるようなものが、残念ながらいくつもあります。
また、自分が真剣なあまり他者にもボランティアを要求しているようなこともあるんじゃないでしょうか。
でも、活動されている方の真剣さ・健全性・活動の成果などが一般の方にもっと伝われば、ボランティアの正しい意識がもっと広まっていくのではないかと思います。
今日の私の話が、こういったことに結びついてくれれば幸いです。

このような場を作ってくれた松井さんとスタッフの皆さんには、感謝の想いでいっぱいです。
ありがとうございました。
そして、皆様、これからもよろしくお願いいたします。

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