風立ちぬ

(注意)この記事には、ネタバレがあります

特に盛り上がりもないし、それほど感動もないし、登場人物はみんなまともな人ばかりだし、つまらない映画だという人がいるのもわかります。

でも、とても胸に来るものがありました。

泣けてしまいました。

映画のシーンで泣けたんじゃないんです。
自分の人生を振り返って、泣けました。
多分、そういう映画なんだろうと思います。

主人公の二郎は、少年のころの夢を追いかけて、美しい飛行機を作ろうとする。
自分の仕事に情熱を傾けて、失敗しても前を向いて、仕事に取り組んでいく。

・・・何かとても素晴らしい生き方のように見えますけれど、本当にそうなんでしょうか?

避暑地で運命的な再会を果たし、自分のことを一途に想ってくれる菜穂子と一緒になれたにもかかわらず、病気の菜穂子を部屋においたまま仕事で遅くまで帰らない二郎。
家に帰っても、まだ仕事をつづけ、結核の菜穂子の横でタバコを吸ってしまう二郎。
こんな二郎をひどい人だと批判する人が多くいます。
確かに、私もそう思います。
でも、私は二郎を責めることができません。
私も同じだからです。

きっと二郎って、仕事も、菜穂子も、同じくらい好きなんです。
どちらかなんて選べるはずがない。
だから、菜穂子が病気でも、仕事を辞めて高原病院に行くことなんて出来ない。
そんな人、傍から見たら「人でなし」とか「自己中心的」とか言われると思います。

ただ、モノ作りをする人って、大なり小なりそういうところがあるんです。
それくらい打ち込めないと、ことを成し遂げるのは難しい。
そして、成し遂げた仕事の裏で失ったものの大きさに気づいて、落ち込んでしまうこともあります。

だから、それを受け入れて「仕事をしているあなたが好き」、「生きて」と言ってくれる菜穂子を見ると、何かとても切なくて、どうしていいかわからなくて泣けてくるんです。

二郎と私の歩んできた人生は全然違うけど、私は自分のこれまでの人生を二郎に重ね合わせていました。
二郎は本当にひどい人間です。
でも、それはこれまでの自分自身でもあるんです。
そしておそらく、宮崎駿でも、庵野秀明でもあるんじゃないかと思います。

愛するものを失い、国を滅ぼしながらも、風が吹いているのなら生きねば・・・
そんなラストシーンに、私はもう、泣くしかありませんでした。
悲しみでも恐怖でもなく、ただ、切ない気持ちでいっぱいになりました。

風立ちぬ” に対して1件のコメントがあります。

  1. 紀平 光太 より:

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