WordBench京都5月号で、管理画面についてお話ししてきました。

天気予報では、今日の京都の最高気温は31℃
そんな真夏日に、コワーキングcotoさんで行われた「WordBench京都」に参加してきました。

今回のテーマは「管理画面再入門 & Mauticことはじめ」です。

お客様のための管理画面カスタマイズ

最初のセッションは、私が担当させていただきました。

私は主にお客様のWebサイトを制作する仕事をしているのですが、こういった場合は通常、自分が構築したWordPressのシステムを、お客様の担当者が運用することになります。
大きな会社で専任のWeb担当がいる場合を除けば、担当者の本業は別にあり、Web知識だのWordPressの使い方だのを覚えている暇があったらコンテンツの作成に時間を割いてほしいわけです。
しかし、Webの知識やセキュリティに対する認識が少ない、または偏った知識や経験がある方が運用されると、思わぬトラブルが生じることがあります。
そういったことが起こらないようにマニュアルを作ったりするのもいいのですが、そもそもトラブルが起きるようなシーンが生じないようにすれば良いわけで、そのあたりの考え方と実際にどうすればいいのかと言った内容のお話をしました。

決して「担当者の知識がないので困る」という話ではなく、そういったことは「システムがフォローすべき」って話です。

考え方自体はWordPressに限らない、というよりも、Webに限らない話だと思っています。

「人は信じても、人の”仕事”は信じるな」

「Adminimizeプラグインがいいよ」

今回のポイントは、この2つでしたので、とりあえずそれだけ伝わればいいかなと思ってお話しさせていただきました。
「Adminimizeプラグイン」については、デモでその凄さをお伝えしたいと思って頑張りましたが、Windows10の扱いにイマイチ慣れていなくて、ちょっとバタバタしてしまいました。
このプラグインは他のプラグインにない「CSSセレクターで指定できればどこでも操作できる」という機能があります。
できれば、このネタで近いうちに一つ記事を書きたいなと思っています。

Twitterや懇親会での話の中では、「テーマを変更したときに無くなったら困ることはfunctions.phpに書かない」についての反応も多くありました。
数年前は、「プラグインを使わないでfunctions.phpに書いたほうがいい」ということをよく言われていたように思うのですが、今となっては古い常識です。
機能は「プラグインに分ける」というのが、今のWordPressの基本の考え方なのです。

あと・・・
当日のセッションでは言いませんでしたが、実は「Concrete5」だと、「User Role Editor」「Adminimize」などのプラグインを使って苦労して設定しなければならないようなことが、標準機能で実現できます。(しかも、もっと柔軟で高機能で、わかりやすいのです)

マーケティングオートメーションって何だ?

今日はこちらが目当ての方が多かったと思うのですが、オープンソースのマーケティングオートメーションツールとして、最近注目を集めている「Mautic」についてのセッションを、あの菱川拓郎さんが行ってくださいました。
WordPressと直接関係のある話ではなく、その前段階の「マーケティングとは」「マーケティングオートメーションとは」という話が中心でした。

マーケティングとは「顧客を生み出すこと」
御用聞き営業ではなく、見込み客を創出することが必要です。
そのためのステップとして、顧客を収集し、見込み客を啓蒙し、絞り込みを行っていくのですが、その部分を省力化、見える化していくのが「マーケティングオートメーション」です。
こういった仕組みが必要なのは、購入に対して顧客の心理的ハードルが高いもの(高価、長期契約、比較検討される)です。
そのため、従来このようなシステムは高価なものでしたが、なんとオープンソースで登場してきて注目を集めているのが「Mautic」というわけです。

菱川さんの話は、マーケティングの基本からマーケティングオートメーションまでの流れがわかりやすくまとめられていて、WordBenchでこんな話が聴けるなんて、なんて贅沢なのだろうと思いました。

みなさんご存じのとおり、菱川さんは今ではすっかり「Concrete5」の人なわけですが、私が初めてお会いしたのは「WordCamp2011神戸」のときで、2013年3月の「WordBench神戸」でもセッションを聞いたことがあるので、私の中では「WordPress」の人なんですよね。
WordBenchで話すのは何年振りか・・・ということだそうですが、なんと自宅はcotoさんから歩いて数分らしいので、また時間があれば覗きに来てもらいたいなと思っています。

WordPressでMauticを使う

先ほどの菱川さんの話を具体的にWordPressと結びつけるのが、最後の岡本秀高さんのセッションです。

顧客の購買決定プロセスに関する理論「AIDA」(Attention=注意をひく、Interest=関心を集める、Desire=欲求を認知させる、Action=行動を起こさせる)において、AIをWordPress、DAをMauticが連携して担います。

連携の方法としては、

  • プラグインを使う
  • 自分でコードを書く
  • REST APIを使う

といった方法がありますが、まだまだ取り組みが始まったばかりのようです。

連携に関しては、「マイクロサービス」についてのお話もありました。
現在、WordPressでプラグインを開発すると、どうしてもプラグインと、コアやテーマとが密結合になってしまい様々な問題が発生します。
そこで、機能をプラグインではなく「マイクロサービス」として提供し、REST APIにより疎結合でつなぎます。

WordPressは「情報発信」のためのツールであり、それ以外のことは他に任せる(WordPressで取り込みすぎない)ということですね。

https://speakerdeck.com/hideokamoto/mautic-and-wordpress

Mautic自体は「これから」のツールですが、マーケティングオートメーションはアメリカなどではすでに10年前から取り入れられているものでもあり、日本でもここ1年くらいで急に注目を集め始めています。
このタイミングでそういったことに触れられたのは、非常にプラスだったなと感じました。

懇親会では恒例の爆笑LT大会

WordBench京都はコワーキングcotoさんで開催されているということもあり、セッションの後はそのまま会場に軽食やお酒・ドリンクを持ち込んでの懇親会となります。
そして、いつのころからか、懇親会中にLT大会が繰り広げられるというのが恒例になっています。

IoTを擬人化してみた

まずは、JAWS-UG京都の辻一郎さん。
最初は今後行われる予定のハンズオンの話とかでしたが、後半は「Cloud Days 2016 大阪」を沸かせた、IoTの擬人化「いおたん」の登場です。

会場に実際に「いおたんマシーン」を持ち込んでいただき、ぐるんぐるんの実演が行われ、会場は大盛り上がり!
萌えキャラ作者が、参加者にお友達も多いはざくみさんということで、特に盛り上がっていたようにも思います。
今後、いおたんはさらに大きく進化していくそうで、まずます目が離せませんね。

カスタムフィールドの光と闇。 または、愛について。

そして、toro_unitさんの、WordBench山梨でのセッションの再演も、熱く盛り上がりました。

WordPressのカスタムフィールドの実装の深い闇から、「とりあえず」の適当な実装が地獄の始まりであるという話です。
WordPressはPHP書ければ何でもできるって、そりゃPHPなんだから何でもできるでしょう。
それこそ、WordPressの皮をかぶっているだけの全然違うアプリケーションにだってできるわけです。
なんでもかんでもWordPress使えばいいとかじゃなくて、得意不得意を理解したうえで、WordPressを選択し、苦手なところをフォローしてあげるというのが大事。

本当、そう思います。
理由もなくWordPressを選択して魔改造してシステム構築してる業者や、逆に過去に使ったことのある古い業務用パッケージでシステム構築したがる業者とか、本当に多いです。
そして、それに振り回されているクライアントさんもかわいそうです。
いろんな意味で、「愛」がないのですよね。

私の管理画面カスタマイズも、結局は、クライアントさんへの愛だし、WordPressに対する愛でもあるんです。

そんなわけで、愛と笑いで満たされた、たのしい勉強会でした。
参加者の皆さん、ありがとうございました。

この記事を書いた人

川井 昌彦
川井 昌彦
FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き

1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数

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