PCの動作が重くなったら、AdobeCCのファイル同期を疑ってみる

(2022年6月19日 追記)
この現象が発生して数日後、再起動のたびに該当のSSDにチェックディスクがかかるようになりましたのでSSDを交換しました。
すると現象がおさまりました。
SSDの不具合がこの現象を誘発するのか、因果関係は不明です。

2022年のGW明け、私のWindows10は使い物にならない状況に陥っていました。

エクスプローラーからフォルダを開こうとしても開かない、ファイルをダブルクリックして開こうとしても開かない。
しかしフリーズしているのではなく、単にめちゃくちゃ遅いだけなのです。

Webブラウザ、Teams、Slackなど、他のアプリケーションは全く問題なく動作します。
しかし、ファイルをダウンロードしようとしたり、アプリのファイルメニューからファイルを開こうとすると、反応が返ってこなくなるのです。

そして、再起動(というか、シャットダウン)に10分以上もかかるようになりました。
何か警告が出るわけでもなく、ひたすら「再起動しています」が続くのです。
ちなみに、シャットダウンしてから起動するまでには20秒しかかからないので、Windows自体に問題が起きているとは考えづらいです。

ディスク使用率が100%

Windowsで動作が遅くなった場合、まず確認するのが「タスクマネージャー」です。
ctrl + alt + del でタスクマネージャーを起動し、異常にCPUやメモリを使用しているアプリが無いかを確認します。

ここで異常を発見しました。

パフォーマンスタブで、Dドライブのディスク使用率が、ずっと100%なのです。
100%なのはDドライブだけで、Cドライブはときおり少しグラフが動く程度です。

確認のため、エクスプローラーでCドライブのフォルダを開いたり、Cドライブのファイルをアプリで開いたりしてみたところ、問題なく動作することがわかりました。
遅いのはDドライブだけ。
つまり、Dドライブに問題があるということです。

ディスク使用率100%の対策をしても効果なし

ディスク使用率100%の対策を検索してみたところ、下記の対策が見つかりましたので、早速実行してみました。
(効果がなかったので、本記事ではそれぞれの説明は省略します)

なお、Windows Update、インデックス作成、自動メンテナンスが行われていないことは確認済です。

  • chromeの閲覧履歴を削除する
    → 効果なし
  • エクスプローラーの設定を見直す
    → 履歴の削除、別のプロセスで開く、プレビューとクイックアクセスを無効など、すべて効果なし
  • Sysmain(旧SuperFetch)を無効にする
    → もともと無効だった
  • 仮想メモリのサイズを小さくする
    → SSDなので最小の設定にしていた
  • 「ピアネットワーク」を無効にする
    → 効果なし
  • システムチェックをする
    → 異常なし
  • ディスクチェックをする
    → SSDなので
  • MSIモードを無効にする
    → 効果なし
  • スタートアップからアプリを一時的に削除する
    → 効果なし
  • OneDriveを止める(ファイル共有を止める)
    → 効果なし
  • Dropboxを止める(ファイル共有を止める)
    → 効果なし
  • Adobe Creative Cloud のファイル同期を止める
    ディスク使用率が0%になった!

エクスプローラーを使用不能にしていた元凶は、Adobe Creative Cloud のファイル同期でした。

Adobe Creative Cloud のファイル同期は簡単には止まらない

Adobe Creative Cloud デスクトップアプリ は、PhotoshopなどのAdobe製アプリケーションのコントロールを行っています。
ライセンス管理やアプリのアップデートなども行われていますので、Windowsの起動とともに常駐しています。

Adobe Creative Cloud の機能の一つに、ファイル同期があります。
同一のAdobeアカウントは2台までのPCに適用できるため、自宅のデスクトップPCと外出先のノートPCにインストールしてファイルを同期することでシームレスな作業ができます。
私はインストール時にDドライブに同期フォルダを設定していましたので、ファイル同期でディスクが常に使用されていてエクスプローラーのアクセスに支障があるのではないかと考えられます。

AdobeCCのファイル同期は、Adobe Creative Cloud デスクトップアプリから停止できます。

アプリを開き、右上の「雲」のアイコンをクリックするとダイアログが出ますので、一時停止アイコンをクリックします。

ファイルメニューの 環境設定 > 同期 タブからも停止できます。

しかし、実はこれだけでは同期は止まりません。

Creative Cloud アプリを終了させても止まりません。

ファイル同期は「Core Sync」というプロセスとして動作しているのですが、なんと、タスクマネージャーでCoreSyncを終了させても、勝手に再起動するのです!

ファイル同期の設定を有効にする(同期を停止させる)には、Windowsを再起動します。
いったんファイル同期が始まるとシャットダウンに10分かかりますが仕方ありません。

無事Windowsが再起動したところでタスクマネージャーでディスク使用率を見てみると、ほぼ0%になっていました。
エクスプローラーでDドライブのファイルを操作しても全く問題ありません。
Adobe Creative Cloud のファイル同期がエクスプローラーの不具合の原因だったと考えて良さそうです。

根本的な対策はAdobeの対応待ち

Adobe Creative Cloud のファイル同期に問題がある場合の対処として、Adobeの公式サイトでは環境設定の初期化方法が記載されています。
しかし、この方法では全く改善しませんでした。

ストレージの同期に関するトラブル全般の対処(Creative Cloud)

https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/kb/cq08270111.html

Adobe

また、過去にこの問題についてAdobeのサポートコミュニティに投稿されているのを見つけたのですが、解決されていないようです。

Creative Cloud Files ファイル同期するとCore Syncとエクスプローラーの負… – Adobe Support Community – 10080579

Adobe Support Community

現状ではAdobeの対応待ちという状況ですので、この問題が発生したら Adobe Creative Cloud でのファイル同期は使用しないほうが良さそうです。
ファイル同期には、容量が少ないですがDropboxなど他の方法を使うしかないようです。

もし同じ不具合でお悩みの方がいらっしゃいましたら、上記のAdobeのサポートコミュニティに書き込みをお願いいたします。
ユーザーの声が無いと動いてくれないと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

本投稿の冒頭にも書きましたが、ディスクの不具合がこの現象を誘発している可能性もあります。
並行してディスクの不具合も疑ってみてください。

この記事を書いた人

川井 昌彦
川井 昌彦
FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き

1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数

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